二重人格神様~金と碧の王~
その答えをどうしても知りたくて、とにかく走った。
階段を上り、廊下を駆け足で走る。誰かに気付かれないように私は屋敷の屋上に繋がる階段を上った。
グレンくんを探しに向かった屋上。そこに繋がる扉の前まで来て、私は深く深呼吸をする。
「はぁっ…」
息を尋常じゃなうくらい乱れ、肩で息をするのもやっとなほど。
でも…なんだろう。なにか感じる。この先に、なにかがいるって…
息をのんだ。手に染み渡る汗を服で拭い、息をのむ。いやな汗が頬をつたい、わたしはドアに手をかける。だけど、手はなかなか動かない。
「……」
気になって来てみたもの、よく考えたら少し怖い。もしかしたら、危ない目に合うかもしれない。
たったさっき、気をつけるように話したばかりだと言うのに。
きっと、この先に言って危ない事にあったら、怒られてしまう。でも、知りたい…自分の大丈夫ってカンを信じよう。
そう意気込み、ドアを開けると少し強い風が吹きぬけ目を瞑った。
冷たい風…雨で空気が冷えたんだ。
屋上へと足を踏み込み、わたしは周囲を見渡す。
でも、どこにも…誰もいない。
「…」
気のせいだったの?ここに来て?いや、そんなはずはない。だって、感じるから…
「どこ…に、いるの」
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