二重人格神様~金と碧の王~
「ふ…しぎ…だな…」
まどろむ意識の中、私はそう呟いた。
そして、まるで、夢から覚めるように、ゆっくりと目を開けると、そこに天井はなかった。
目に見えたのは真っ白い世界。あれ…ここは…どこ?
いつもと違う天井の光景に、私は身体を起こそうとするが、とても、身体が重かった。鎖で縛られ、重い鉄球でも付けられているような感覚。
なに、これ…
心なしか、ズキッと頭も痛む。身体が痛み、血管を物凄い勢いで血がながれるのがリアルにわかった。
わたし、どうしたんだろう…。
だんだんと、意識がはっきりとしていき、身体が痛むなら、強引に身体を起こすと、周囲の光景に息をのんだ。
「…え」
目の前には一面、真っ白。その場所に湖のように広がる少し生暖かい水。上には沢山の蓮華の花が浮いている。
そこにつかるように私の身体があり、下からは明るい光が私を守るように包んでいた。
なにが起こっているの…わたしは、確か…。
はっきりとしない意識のなか、なにかを思いだすように考え髪の毛を耳にかける。
「あ、れ…」
その時、水に浮かぶ金色の髪の毛に視線が釘付けになる。え、この髪…だれの?
そう思い手に絡みつく髪をみると、金色だった。
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