二重人格神様~金と碧の王~

「あぁ…」

「嫌われた…かな」

「……」

いきなり、私が半神だと知って軽蔑されたかもしれない。私だって、驚いたから…

どう、思ったのかな。そう、考えると、また痛みが襲う。


その痛みに顔を歪めると、お父さんがそっと私の目を塞いだ。


「いのり…少し離し過ぎたみたいだ。少し、眠りなさい」


少し、冷たい手。けれど、その手から少し暖かい光に包まれるように不思議と眠気が襲ってくる。

「…ん」


ダメだ…とても、眠い。重くなってくる瞼を閉じると、私の意識は一瞬して落ちていき、促されるまま眠りについてしまった。


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