二重人格神様~金と碧の王~

二人の話す姿を私はただ呆然と見つめていた。思うことは沢山ある。

お母さんはこんな声だったんだ…とか。


お父さん…私といる時とは口調も、雰囲気もどこか違うって。

そして気になるのは、お父さんの姿はシャカの姿だ。


お母さんは、神様って知っていたんだ。


ただ、動くことも話しかけることも出来ないまま、その様子を見ていると、不意にお父さんは、ゆっくりと振り向いた。

『…え?』


目があった。お父さんは私の目を見つめそのまま微笑む。


『ん?どうしたの?なにかいるの』


促されるままお母さんも振り向くが、その視線は私と重ならない。見えないんだ…わたしのこと。

『なにも、いないけど…』

『気にしなくていい。いつか、会える』



『また、意味深な事を…なんか、いや。貴方には見えて、私には見えないなんて…私だって、同じモノを見たいのに…』


『…お母さん…』


俯くお母さんの肩を抱き、そのまま抱きしめ何かを囁いた後、再び私を見つめた。


『未来の子よ』


『え?…あ…え…っと』


『此処は過去の世界。キミが来る場所ではない』


過去の世界?やっぱり、そうだったんだ…。

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