二重人格神様~金と碧の王~
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暗闇で耳を塞いだわたしは、随分とここをさ迷った。もう、本当に此処がどこなのかわからない。
ただ、時々聞こえてくる雑音と声におかしくなりそうだった。
聞こえてくる言葉はほとんど同じ。お父さんの拒絶の声とお母さんの悲しむ声。
『だから…最初から遊びだ』
『もういい。お前とは、今日で最後だ』
『そんな事…言わないでっ』
『泣く女は好きじゃない』
『子供が出来た?そんなもの…俺には要らない』
『他に女がいる。だから、お前は邪魔だ』
やめてよ。どうして、お父さんはそんな事を言うの?お母さんの事…愛していたんじゃないの?
『愛してなどない。言ったはずだ。病弱だったお前を暇つぶしにしただけだと』
『そんなことっ…いわ、ないでっ!』
どうして、こんなに悲しませるの?すっと思っていた。お父さんとお母さんは思いあっていたって。
今までの事は、嘘だったの?
『だから、言ったじゃないか。いのり?私はキミの母親を愛してなどいない。君がいたから、君のために愛したふりをした。そして、存在を消すため、私と切り離すために力を封印したんだ』
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