二重人格神様~金と碧の王~

『…』

瓜二つの姿をした私。これは…


『ふふ、驚かないで…ワタシは貴女の中で眠っていたワタシ』

『…え?』


『覚醒した事でよって、ここで会えるようになったの』


それは、神である私ってこと?


『あの…』


『大丈夫。もう、恐くないわ…苦しむ事もしなくていいの、涙を流すこともない。すぐに楽になれる方法があるの』


楽に…なれる、方法?


『そうよ』

まるで、私の心の呟きを読め取るかのように頷く。


それは、どうするの?


『全ての記憶を消せばいいの』


記憶…を?


『そう。今までのことを全部消して、私と融合する。そうすれば、貴女は半神として生まれ変る事が出来る。大丈夫、融合したとしても意識は貴女のものよ?ワタシは記憶を消すことと、融合を手伝うだけだから』


『そうすれば…楽になれるの?』


『えぇ。こんな辛い場所から出られるわ?それに、お父様のことも忘れられる』

そう…なんだ。こんなに辛い思いをするなら、そのほうがいいのかもしれない。

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