二重人格神様~金と碧の王~


涙をぬぐい、笑顔を浮かべると、お母さんも微笑む。そして、私の手をひき、そのまま立たせれば、どこか遠くを指さす。


『そのいきよ。もう、貴女なら、大丈夫ね?さぁ、行きなさい…向うに歩いていけば出口はあるから。そして、会いに行いきなさい。貴女が愛する者のもとに』


『…うんっ』

手を離した。向かって歩くなか、不意に振り向くとお母さんは手を振っている。


きっと、もう、二度と会えることはないだろう。そんな気がした。でも、不思議と寂しくない。傍にいてくれる…そう思うから。

そして、また、私は歩きだす。


彼らに会いたいから。半神だけれど、会いたいの。傍にいたいの…彼がいなければ、ダメなんだもん…。


受け入れてくれるか、正直わからない。でも、私は彼らを信じているから…きっと、大丈夫。

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