二重人格神様~金と碧の王~

「あ…」

意識ははっきりしているのに、身体は大分違う。重く、歩くことは出来ない。

心なしか、今までしなかったのに、動悸もするようだ。

それにしても、なんでここにいるんだろう。ここは深界で過ごした私の部屋だ。

思い出そうと、考えるが自分がここにいる理由が見つからない。

でも、と、とにかく…戻ってこられたのは嬉しい。

そう思い、重い身体のままベッドからおりる。ふらつく足取りで扉に近づき、ドアをあけた。そこには誰の姿もない。



とても静かで、あの時お父さんに連れられたお屋敷のように気配もない。

ここは、深界じゃない、のかな。そんな不安を感じるが景色もこの廊下も記憶に新しい。


どこかに、皆いるかもしれない。

部屋のドアをしめ、壁に寄りかかりながら歩く。やはり、また、意識がぼんやりとしてきて頭痛もしてきた。


そして、気のせいだろうか。身体がもの凄く熱い気がする。


小さい頃、風邪で40度の熱が出たことがあった。その時と同じくらい熱い。

同時に、身体を襲うのは吐き気。気をぬいたら戻してしまいそうな吐き気に思わず口元をふさぐ。

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