二重人格神様～金と碧の王～

「大好き、な？」


「…はいっ」


「それなら、尚更だめだよ。そこまでの関係なら、僕にそういうことをしてはいけない。わかって。いい加減」


「前にも、言ったじゃないですか！私が好きなのは、海鈴さんです」

「…え」


「なんで、そんなこと言うんですか…私の気持ち、知っているくせに」


頬に涙が伝い、次々と涙が零れた。

「それは、そうだけど…僕は、いのりにそんなことはしてない」


「知ってます…海鈴さんは、してない。だけど、海鈴さんがしたんです…っ」



言ってしまったと、思った。けれど、後悔などしている暇はなかった。ただ、海鈴さんが離れていくのが、いやだったから…


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