二重人格神様~金と碧の王~
過去
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『ライ…それは、本当なの?』
『はい、ルーテル様』
『…そう』
その日の深夜、暗い部屋に二人の男女がいた。
『海鈴様と…あの女が』
黙るライに、ルーテルはテーブルにあった本をライに投げつけた。しかし、それを避けることなくライは受け止め、怒り狂うルーテルを見る。
『もう、諦めたら、いかがですか。海鈴様は相当怒っています。これ以上は俺も怖い』
『なにをいまさら!貴方は私の家来なのよ!黙って命令を聞けばいいのよ!』
『で、ですが!海鈴様だけでなく、シャカ様まで関わっていては、俺たちは消されてしまう!』
『うるさい!!』
ライに向かって、次々に本やコップを投げつけルーテルは頭を抱えて泣きじゃくる。
『なによ、なによ!なによ!』
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