二重人格神様~金と碧の王~


与えられた世界とは深界のこと。

大昔、人間と神様の争いのまつに、彼らは離別した。そして、傍観者と呼ばれる神様からこの世界を与えられたと、前に話してくれたことを思いだす。



「何百年続いたのだろうね。僕には想像も出来ないほど、続いた。そんなことを続けていたある時、その時の王の子供は双子ではなかった」



王達は驚いたが、これでやっと身内の争いに終止符が打たれると誰もが思ったと、海鈴さんは言う。


けれども、それは違っていた。


その男児に成長する度に表れた異変。時折、おとなしいと思えば突然、狂暴になったり、数時間前にあった出来事を覚えてないなど。


不振に思い、男児を観察すればわかったことがあった。


一族の特徴である、銀色の髪にブルーの瞳が狂暴になると金色に変わることに。


双子で生まれるはずだった2人が身体を供用し、1人のからだで生まれてきたと、結論にいたった。


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