二重人格神様~金と碧の王~


「それは、別に…っ」


「グレンは僕のことが嫌いだから、いのりに手を出さないように警戒していたけれど、やはり無理だったみたいだ」


「…は、い」


「けれど、まぁ、そのお陰様で僕は本当の気持ちに気付けた」


「…んっ」


チュと触れるだけのキスをされる。

「好きだって、ことに」

「海鈴さん…」

「いいかい?いのり、昨日、君を抱いたおかげで少し弱っていた力が強まった。けれどもそれは、同時にグレンの力も強まる。時折、君の前に現れ君を傷つける」


「…はい」


「それでも、いのりは僕のそばにいて欲しい」


抱きしめていたをはなし、彼は私の手をとるのその甲に唇を落とす。



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