二重人格神様~金と碧の王~



「いのりが、こんな意味の分からない僕を受け入れてくれるのなら、君を僕の本物の花嫁にしたい」


「え…?」


本物の、花嫁?そう、呟けば海鈴さんは少し照れくさそうにに頷く。


「偽装じゃなくて、本物」


「本、もの…」

「そうだよ。いのりの事は僕が守るから。何があっても、必ず」


「…っ」


「駄目?」


瞳を細めた彼に私は勢いよく首を左右にふり、彼に抱きついた。


それが、わたしの言葉にならない同意。そう、訴えるように彼の唇に触れるだけのキスをする。


「受け入れます…海鈴さんが、そういう風にグレンさんのことを思っているのなら、私も会ったとき、向き合います」


< 95 / 513 >

この作品をシェア

pagetop