13才、身籠りました。
あたしはパパに殴られると思っていた。 


お兄ちゃんもきっと怒鳴ると思った。 


だけど、二人は穏やかだった。 


今から考えてみれば、きっと女のあたしにどう接していいか分からなかったんだろう。


「妊娠してるってのは、本当なのかい?」


「うん…。多分本当だと思う。検査薬使ったから…」

「そうか…。だれの子供かわかってるよね?」


「うん…。」


「パパに誰だか教えてくれる?」


「…もう、転校した…新井こうじ…くん…。」



「そうか。じゃあもう寝なさい。明日産婦人科に行こう。子供のことは自分でもよく考えておきなさい。」

「うん…。おやすみ…。」

何でパパはあんなに優しかったんだろう。 


本当はあたしみたいなバカ娘、追い出してやりたかったかもしれないのに…。
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