虹色ドロップ
「トロイメライってどう言う意味?」
「夢見ごこち、だったかな」
「へー...」
夢見ごこち、か。
まるで、ここにいるときのわたしみたい。
この家で怜の紡ぎだすきれいな音色を聞いているときのような、
ふわふわした感覚。
「何、ぼーっとしてんの」
「え?...わっ..」
怜の落ち着いた低い声が耳元をかすめたと思ったら、
ゆるりとした手つきで腰を引き寄せられて。
...そのまま怜の座っていたソファになだれこんでしまった。
「ちょ、れいっ...んっ...!」
小さなこどもがするみたいな、数秒だけくっつけるキス。
もう付き合って2年たつ。
だけど、キスは数えるくらいしかしたことがない。