虹色ドロップ


「.....っ...」



キスの仕方なんてまったく分からない恋愛初心者のわたしは



息を止めてぎゅっと強く目を閉じることしかできない。






一瞬にも、とても長くも感じるキスがやっと終わると、



「...っは....」



ようやく、ずっと止めていた息を大きく吐き出せた。



「え、なに、ずっと息止めてたの」

「....だってどうすればいいかわかんないし」

「めいちゃんおこちゃまー」



くすくすとからかうような瞳で、至近距離からわたしを見下ろす怜。



わたしはといえば、




「~~っうううるさいよ!怜のばか!!」




本当におこちゃまみたいなことしか言えない。



怜は、同学年の男の子たちに比べてもだいぶ大人っぽい。



落ち着いてて、あんまり表情変えなくて、まあいわゆるクールってやつ。




そんな怜にくらべてわたしは



落ち着きはないし、声はおおきいし、加えておこちゃまってみんなに言われるし...





つまり、わたしと怜は正反対だってこと。



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