[完]バスケ王子に恋をして。
入学式はとてもつまらなかった。

ハゲた校長の話を聞ける訳もなく、丁度席が隣だった咲羅とずっと喋っていた。


入学式が終わると教室に戻って来て、HRをした。

さっき咲羅と喋っていてわかったことがある。

咲羅は最初のイメージとはかけ離れていて、言葉使いや仕草、趣味なども男っぽいことがわかった。

「奈未ー!!一緒に帰ろうぜ?」

咲羅に声を掛けられた。

「うーんとー……帰りたいんだけど……
うちバスで海斗と帰らなきゃいけないんだ……ゴメンね……?」
「そっかー……わかった。じゃあ今度遊びに行く時帰ろぜ?」

少し悲しい顔をしたけどすぐ開き直って聞いてきた。

「もちろん!!絶対一緒に帰る!!」
「OKー♪じゃ、バイバーイ」

咲羅が手を振って歩き出した。

「バイバーイ!!」

私は咲羅に負けないぐらい手を振った。


「海斗ー帰ろー?」

海斗の前に行って聞くと

「ゴメン……今から職員室行かなきゃいけねーんだ……ちょっと待っててくれよ」

と、跳ね返された。

しょうがない……待ってよう……。

「わかった。教室で待ってるね?」

と言うと海斗は申し訳なさそうに笑って行ってしまった。
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