[完]バスケ王子に恋をして。
「あー腹減ったー」

咲羅がロビーのソファーに倒れ込む。

「腹減ったって…咲羅…まだ3時だよ…?」

日向と顔を合わせて苦笑いしながら夏恋ちゃんが言う。

「おーい…奈未起きろー」
「……」

…起きねーし……

「奈未ー」
「…ん…?」

ゆっくり奈未が目を開ける。

「起きたか?」
「…ん…ここどこ…?」

眩しそうに目を細める。

「ホテルのロビー。つか、足大丈夫か?」

そっと俺の背中から奈未を降ろしてソファーに座らせる。

「んー…大丈夫だと思う。傷も深くないし……」
「そっか…ならよかった……」

俺もソファーに腰掛ける。

「…春樹ありがとね……。私いつの間にか寝てた…」

寝てたってことは…あれは寝言か…?

「別に。疲れてるんだからしょうがねーよ」

奈未は自分であんなことを言ったことを知っているんだろうか……?

「あ!!夏恋ハンカチ後で洗濯して返すね?」
「うん。わかった」

………さすがに本人は気付いてねーよな?

この様子じゃ………


< 196 / 447 >

この作品をシェア

pagetop