[完]バスケ王子に恋をして。

「別室？」
「ああ、昨日は普通の人達と一緒だったけど今日はうちらだけのバイキングだぞ」
「え!?私達だけ違う料理のバイキングが出来るの!?」
「ああ」

口をポカーンと開けている奈未。

「お前その顔マヌケ」

ブハハと笑いながら奈未に言う羽切。

「う、うるさい!!海斗だって内心驚いてるくせに」
「でもそんな顔してねーし」
「……」

二人が喋ってるだけでイライラしてズキッと心が張り裂ける音がする。

「気にすんな」

日向が俺の横で小声で言う。

それはやっぱりこいつは頼りになると思った瞬間だった。

「で、お前どうだったんだよ？」
「は？何が？」
「夏恋ちゃんに嫌われなかったか？」

ニヤッと笑って日向の髪をクシャッとする。

「全然、つか、俺ら飯食ったら会うことになったしもっとラブラブになっちゃったー」

挑発的に日向が俺に言う。

「へーそーですかー」

棒読みで言ってやった。