[完]バスケ王子に恋をして。
「……み……奈未……奈未?」
「え……?」

気がつくと私のことを心配そうに見つめている春樹の顔があった。

「大丈夫か?」
「うん……ちょっと考えごとしてた…」
「そっか……」
「バスケ終わったの?」
「あぁ……なぁ、これから二人で海岸歩かねー?」

海岸……?

「いいよ?」
「じゃ、行こうぜ?」

春樹は私に手を差しのべて来る。

その手を取ろうか迷ったけど勢いで取ってしまった。


ーザブーン……

波が音を立てて私達の足元にやってくる。

「キャ!!…冷た……」
「風邪引くなよ?」

キュン……

その一言だけでキュンと胸が高鳴った。

どんどん自分の手が熱くなっていくのがわかる。

私ってこんなに緊張とかしたっけ……?
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