[完]バスケ王子に恋をして。
「おい!!奈未遅い!!」

海斗のところに帰るとさっきと同じようにイライラしていた。

「……ごめん」
「早く帰るぞ!!」
「……うん」

私達は歩き始めた。

チラッと海斗を見ると明らかにイラつきを隠せない様子で何かブツブツと呟いていた。

……春樹はこんなんじゃなかったのに……

最近私は何かと春樹と海斗を比べてしまう。

しかもいつも海斗をマイナスに見ている。

昔はこんなんじゃなかったのに……とか、春樹だったらこうなのにとか……。

もしかして私……海斗のこと嫌いになりかけてる……?

……そんなこと……でも……もしかしたら……

でも自分の気持ちに嘘はつけない……。

もしかして……本当に……

「……未……奈……未!!奈未!!」
「へ……?」

海斗の声で我に戻った。
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