[完]バスケ王子に恋をして。
「海斗に春樹の何がわかるの!?私より春樹のこと知らないよね!?勝手な事言わないでよ!!」

私は近所だと言うことを忘れて怒鳴っていた。

「私は春樹が好きなの!!こんな海斗のことなんて好きじゃない!!」
「……マジで意味わかんねー……」

海斗の目が殺気で埋め尽くされてる。

……こんな海斗……見た事ない……。

……怖い……。

そう思った瞬間私の肩に手を置かれてグイッと引っ張られた。

そして私が感じたのは……海斗の唇。

どんどん深くなっていくキス。

……でも私が倒れた時や悪い夢を見た時の気持ちいいキスではなかった。

……いや!!

気持ち悪い!!

海斗の胸を力いっぱい押すけどびくともしない。

「いや!!」

私は海斗の唇を思いっきり噛んだ。

「痛ってー……」

海斗はやっと私の唇を離した。

「海斗なんて大っ嫌い!!」

私は家まで猛ダッシュした。

そして洗面所に行って唇を血が出るほどゴシゴシと洗った。

……気持ち悪い!!気持ち悪い!!

私って……こんなに海斗のこと嫌いだったっけ……?

……違う……。

あの倒れた時や悪い夢を見た時の感触を忘れたくないんだ……。

……いったいあの感触は誰なの……?
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