[完]バスケ王子に恋をして。
「「キャー!!」」

教室に入ると女子の悲鳴のような叫び声が聞こえた。

「ったく……うっせーな」

うるさそうに顔をしかめる咲羅。

「なんで春樹どこ行ってもモテるんだよ……こっちの身にもなってみろ」

迷惑そうに俺を睨む咲羅。

「知らねーよ」

俺の顔は色白で目がパッチリ二重で大きくて鼻が高く、髪が外にはねている女顔だ。

だけど背がバスケをやっているからか193cmもある。

それにバスケが影響で俺はよくモテる。

だけどいままで彼女を作ったことはない。

好きじゃない子と付き合っても意味がないだろ?

だから俺はホントに好きになった子としか付き合わない……そう決めている。

「なんで隣が春樹なんだよ!?」

咲羅が叫んでいる。

「咲羅……お前そんなに俺のこと嫌いなのか?」

いくら何でもさすがに傷付く。

「嫌いじゃないけど女子の目が嫌なのんだよ!!」

教室の中を睨みつける咲羅。

「そー……じゃあ喋らないようにする?」
「ナイスアイデア!!」

大きい目さらに大きくしてを指を鳴らす咲羅。

「いまから喋らないようにすれよ?はい、喋んない!!」

いきなり俺のことを存在感もなくして無視する咲羅。

ホントはちょっと傷付くけど咲羅がそれでいいならいいか……。

俺はそう考えてカーテンの後ろの台に隠れて眠りについた。
< 24 / 447 >

この作品をシェア

pagetop