[完]バスケ王子に恋をして。
「これ?」
「うん」

赤のストーンでバスケットボール型に描かれているネックレス。

「カッケー……」

俺はそれに一目惚れした。

「でしょ?じゃあ決まりだね」
「え?」

奈未はそのネックレスを持ってレジに向かった。

「奈未……?」
「私からのプレゼント」
「は?プレゼント?俺が買うって」
「ダメ!!私がいつもの感謝として買うんだから」
「でもこういうのは普通男が買う物であって「ダメ!!私が買うの!!買わせてくれないと春樹と一生喋らない!!」

……それは困る……。

「何か文字を彫りましょうか?」

若い女の店員さんが俺達に聞いてくる。

「いや、いいで「はい!!」

いや、いいですと答えようとすると奈未に遮られた。

「では何て彫りましょうか?」
「これを彫ってください」

そういって奈未は鞄から小さな紙を出して店員に見せた。

「わかりました。少々お待ちください」

店員は奥の部屋に入って行った。

「なんて彫るの?」
「んふふ♪秘密」

……こいつ可愛い過ぎるだろ……。

しばらくすると店員さんが袋に入れたネックレスを奈未に渡した。

「ありがとうございましたー」

俺は奈未の手を握り締めながら店を出た。
< 240 / 447 >

この作品をシェア

pagetop