[完]バスケ王子に恋をして。
「ここ……?」
「ああ。俺んちの近くの公園」
「へー……」

俺達はそれぞれブランコに座った。

「俺小さい時からバスケやっててさ……始めはただ誘われたから入ったんだ」
「え!?そうなの?凄い意外なんだけど」
「でも初めてコーチに誘われてプロのバスケの試合見に行った時……めっちゃ楽しそうに笑ってプレーしている選手達がいてさ……俺、こんな人になりたいなって思ったんだよ……」
「そうなんだ……」
「それから毎日俺は真剣にバスケをやるようになって……どんどん上手くなっていって……バスケって楽しんだなって思った時にちょうどキングバードからオファーが来て……キングバードに入ったんだ」
「凄いなー……だってキングバードだよ?そこからオファー来るなんて……」

奈未は微笑している。

「小2に上がるくらいかな?俺が学年の1軍のエースになったんだよ」
「え!?小2で!?春樹どんだけ凄いの……」

奈未は驚いて目を丸くしている。

「俺がエースになってからは一回も負けた事がなかった。けど……小4ぐらいに初めて2点差で負けたんだよ……」
「……」
「その時めっちゃ悔しくてさ……俺が泣きながら外に出てとぼとぼ歩いてたらこの公園見つけて……この公園バスケゴールあるだろ?だから練習するのがいいと思って……ちょうどその時ボール持ってたから泣きながらここで夜遅くまで練習したんだ……」
「夜遅くまで?お母さん達に怒られなかったの?」
「もちろん怒られた。二人とも必死で探して……父さんから生まれて初めてビンタされたし……だから母さんと練習するのは9時までって決めた。それからいままで毎日この公園で練習」
「そういえば前公園で練習してるって言ってたね」

覚えてんのか……。

何か心があったかくなった……。
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