[完]バスケ王子に恋をして。
「いってきまーす」

私はいつもより早く起きてきちんと朝ご飯を食べて家を出た。

ーピンポーン♪

「はい?」
「おばさん?奈未ですけどー」
「あ、奈未ちゃん?ちょっと待っててね?海斗もうちょっとしたら来るわよ」
「はーい」

私が今いるのは海斗の家の前。

インターホンに出たのは海斗のお母さん。

今日……海斗にケジメをつけるんだ……。

今日喋らなかったら何も始まらない……。

私から動かないと……。

ーガチャ

玄関の扉がゆっくりと開いた。

「……んだよ……今日早いじゃねーかよ……寝かせろや……」

眠そうに出てくる海斗。

よかった……普通っぽい……。

「早く目覚めたんだからしょうがないでしょ?これ以上ご飯食べられないし……」
「まだバスまで時間あるだろ?コンビニ寄るぞ……」
「は?何で!?」
「俺お前のせいで飯食ってねーんだけど……」
「食べてくればよかったじゃない」
「バカ言うな……お袋がうっせーんだよ……奈未のこと待たせんなって……いつも俺が待たされてるって……」
「すいませんね!!」
「怒んなって……」
「知らない!!私先にバス停行ってるから!!」

私は海斗の前をズカズカと歩き始めた。

……いいんだ……この距離感が私達には必要なんだ……。

……大丈夫……。
< 250 / 447 >

この作品をシェア

pagetop