[完]バスケ王子に恋をして。
「やっぱり綺麗な顔だー……」

怒られた犬のように落ち込んでいるその子。

「え……?」

もしかして綺麗って俺のことを言ってたのか?

つか……キミのほうが綺麗な顔立ちだよ……

あ……そうだ。

「ねぇ、さっき歌ってたのってキミ?」
「何の曲でしたか?」

綺麗な声で聞かれた。

あの曲は……

「えっと……カノンっぽかったかな……違う?」

あれはきっとカノンだった。

その子はあぁと思い出したように

「そうですけど……私音痴だから迷惑でしたよね?すいません……」

謝るその子。

何言ってんだよ!!

「全然!!つか、めっちゃ上手かった!!何か目が覚めたら美声聞こえると思ったら!!キミすごいよー!!」

俺が言うと固まっている女の子。

なんで固まっているんだ?

女の子を見て見ると俺が肩を掴んで女の子を揺らしている。

「ゴメン……」

俺はその子の肩から手を外した。

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