[完]バスケ王子に恋をして。
「ってこと」

俺は色々なことに驚いて何も言葉が出なかった……。

羽切がとった行動も……俺の言葉を奈未が引きずっていることも……。

「……春樹はどう思ってんだよ?」
「……何が?」
「奈未のこと……好きだったんだろ?その気持ちは今回のことで変わったのか?」
「……変わる訳ないだろ?」

奈未との間にいろいろ出来事があったけど俺は一度も奈未を嫌いになったことなんてないし好きって感情が無くなったこともない……。

それなのに今回のことだけで好きじゃなくなる訳ないだろ?

……俺には奈未しかいねーんだよ……。

「ならいいじゃん」
「は?」
「春樹はちゃんとその思いを奈未に伝えれば奈未の誤解は取れるだろ?」
「ああ……まぁ……」
「……問題なのは海斗だ……」

咲羅の声が1トーン低くなった。

……今回の様子からして奈未一人ではどうにもならなそうだ……。

あ、そうだ……!!

俺の頭の中にいいアイデアが浮かんだ。

「俺が話してくるよ」
「……え?」

咲羅はびっくりして大きい目をもっと大きくしている。

「その為には奈未が来てる日にしないとな……」
「何でだよ?今日だって言ってくればいい話だろ?」
「あ、もちろん咲羅も協力してもらうから」
「そんなの最初っからするつもりだった」
「咲羅、俺の作戦はこういうこと……」

俺は咲羅にアイデアを教えた。

「へー……いいんじゃない?」

咲羅もニヤリと口角を上げて悪い顔をしている。

見てろよ……羽切……

奈未……お前は俺の隣にずっといろ……
< 260 / 447 >

この作品をシェア

pagetop