[完]バスケ王子に恋をして。
「夏恋!!大丈夫!?」

私達は体育館に戻り春樹と別れてから私一人で壁に寄りかかっている夏恋の元へ行った。

「うん、ごめんね?」
「全然!!どうだった?」
「……バカって言われた」
「え……?」

それって……どっちの意味ですか?

「俺は夏恋以外興味ねーし告られてもみんな振ってるし……あ″ー!!とにかく俺は夏恋が好きなんだよ!!とも言われた……///」

夏恋の顔は真っ赤になっていて見ているこっちも恥ずかしい……。

「ま、よかったじゃん!!うちもそんな感じだったから結果オーライってことで」
「あはは、そうだね」

その後咲羅と3人でたわいもない話をしていると……

「キャー!!」

上の階から大きな悲鳴が聞こえた。

「どした?」

咲羅が不思議そうに体育館内を見ていると

「ピー!!中断中断!!おい、大丈夫か!?」

小島先生の声が体育館に響き渡る。

「誰か怪我したのかな?」

心配そうに夏恋がリーグ表を見てどこのチームが戦ってるのか調べている。

「えっとー……1年生側だから……2と3?……ヤバ!!日向達じゃん!!……日向大丈夫かな……」

必死に日向くんを探す夏恋。

ってか……今2って言ったよね……?

春樹も2って言ってた……。

私も必死に春樹の姿を探すけど見当たらない。

「おい!!マネージャー!!救急箱持って来い!!」

小島先生が私達に怒鳴りつける。

「あ、はい!!」

私は部室から救急箱を持って来た。

どうか……春樹でありませんように……!!

そう願いながら小島先生に救急箱を渡した。

「奈未!!」

近くで海斗の声がして振り返る。

「怪我してんの誰かわかるか?」
「ううん……わかんない」
「そっか……」

複雑そうに下を見る海斗。

「ねぇ海斗は誰が怪我したか知って「藤峯!!ちょっと病院に連絡して来るから処置交代してくれ!!」

小島先生に呼ばれて人込みに近づく。

病院って……そんなに酷いのかな……。

そう思いながら人の中をくぐり抜けて見えてきた赤い靴。

……え……?

まさか……!!

私はその姿を見て急いでその人のそばに駆け寄った。

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