[完]バスケ王子に恋をして。
「何?海斗?」

何回聞いても変わらない俺様口調。

そんな声は振り返らなくてもわかる。

「扱い酷くね?」
「別に?で、用は何?」

海斗とはあれ以降同じクラスでは無い。

だけど、登下校は一緒にしてて、変わらずに幼なじみ。

そんないつも近くにいる海斗だけどもうプロからオファーが来ていて卒業したらプロとしてバスケをすることになる。

……何かみんな遠くに感じるなー……。

「あぁ、今日来週の試合の下見行ってくるから日向と俺休む」

日向くんと海斗はキャプテンと副キャプテンなので、抽選や下見などで休むことが多い。

「ん、わかった」

そういうと海斗は何かの合図をして自分の教室に戻って行った。

日向くんは卒業後スポーツの学校に行ってスポーツ関連の仕事につくんだって。

夏恋は卒業してパティシエになる為に料理学校に行くって言ってたなー……。

もうみんな進路決まってるんだね……。

私はなんも決まってないし……。

とりあえずこの学校に入ったけど……特になりたい物なんてなかったしなー……。

たしかにこの学校は何でもなれるけど……そこまでやりたいって物もないし……。

段々焦りが出てくる。

「はぁ……」

ため息をついて自分の教室に入る。

そしてある席を見て立ち止まる。

「またか……」

私はボソッと独り言を言って自分の席についた。


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