[完]バスケ王子に恋をして。
ーコンコン
「はーい」
綺麗な声が俺の耳をよぎる。
「こんにちは」
静かに扉を開けて奈未を見る。
「あれ?春樹くん!!まだいたんですか?」
敬語なんて初めて会った日以来で慣れない。
「うん、毎日泊まってるから」
「え?そうなの?あ、座って座ってー」
中学生だからか奈未の性格が幼く感じれる。
ベッドの横の椅子に座ると楽しそうに笑っている奈未の顔が近距離で見える。
「ねーねー、春樹くんって何歳?」
普通なら奈未と同じだよって言うけど……
「羽切と同じ」
そういうしかなかった。
「嘘ー?海斗と同じなら私とも同じかー!!っていうか海斗のこと羽切って呼んでるの?」
「うん、何か悪い?」
「全然ー!!何か新鮮だからさー?あ、春樹くんって何部?私はバスケ部のマネージャーやってるんだー」
そんなの知ってるし……。
「バスケ部」
「え?バスケ?でもうちの部にいないよね?同じ学校でしょ?」
いや、全然違ったけどね……。
でも……
「そうだけど、俺クラブチーム入ってんだ」
本当のことと嘘を混ぜるといい感じになるからそうするしかないんだ……。
「そーなんだ!!凄いねー!!」
それから俺は奈未からずっと質問攻めだった。
……しかもその内容は奈未が知っていることで俺も知っている答えが返ってくる。
なんだかとても遠い人に感じた。
「あ、もう面会時間だ……」
気がつくともうそんな時間になっていた。
「ねぇ、明日も来てくれる?」
無邪気に笑う君に俺は胸が痛くなるんだ……。
「うん、いいよ?」
「ほんと?じゃ、約束」
小指を立てて俺の小指と絡ませる。
「指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ーます、指切った♪」
満足そうに俺を見る奈未に自然と笑みがこぼれる。
「じゃあね、バイバーイ!!」
俺に手を振る奈未に俺は一つだけ試してみたんだ。
「じゃあな」
そういって俺は奈未の頭をポンッと撫でて病室を後にした。
あれは俺がいつも奈未にやっていた仕草。
そんなことをしたらちょっとは思い出すかも……
「なんてことねーよな」
バカみたいな淡い期待を胸にしまい込んで俺は歩き出した。
「はーい」
綺麗な声が俺の耳をよぎる。
「こんにちは」
静かに扉を開けて奈未を見る。
「あれ?春樹くん!!まだいたんですか?」
敬語なんて初めて会った日以来で慣れない。
「うん、毎日泊まってるから」
「え?そうなの?あ、座って座ってー」
中学生だからか奈未の性格が幼く感じれる。
ベッドの横の椅子に座ると楽しそうに笑っている奈未の顔が近距離で見える。
「ねーねー、春樹くんって何歳?」
普通なら奈未と同じだよって言うけど……
「羽切と同じ」
そういうしかなかった。
「嘘ー?海斗と同じなら私とも同じかー!!っていうか海斗のこと羽切って呼んでるの?」
「うん、何か悪い?」
「全然ー!!何か新鮮だからさー?あ、春樹くんって何部?私はバスケ部のマネージャーやってるんだー」
そんなの知ってるし……。
「バスケ部」
「え?バスケ?でもうちの部にいないよね?同じ学校でしょ?」
いや、全然違ったけどね……。
でも……
「そうだけど、俺クラブチーム入ってんだ」
本当のことと嘘を混ぜるといい感じになるからそうするしかないんだ……。
「そーなんだ!!凄いねー!!」
それから俺は奈未からずっと質問攻めだった。
……しかもその内容は奈未が知っていることで俺も知っている答えが返ってくる。
なんだかとても遠い人に感じた。
「あ、もう面会時間だ……」
気がつくともうそんな時間になっていた。
「ねぇ、明日も来てくれる?」
無邪気に笑う君に俺は胸が痛くなるんだ……。
「うん、いいよ?」
「ほんと?じゃ、約束」
小指を立てて俺の小指と絡ませる。
「指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ーます、指切った♪」
満足そうに俺を見る奈未に自然と笑みがこぼれる。
「じゃあね、バイバーイ!!」
俺に手を振る奈未に俺は一つだけ試してみたんだ。
「じゃあな」
そういって俺は奈未の頭をポンッと撫でて病室を後にした。
あれは俺がいつも奈未にやっていた仕草。
そんなことをしたらちょっとは思い出すかも……
「なんてことねーよな」
バカみたいな淡い期待を胸にしまい込んで俺は歩き出した。