[完]バスケ王子に恋をして。
そこにいたのは俺の知らない人……

とても力強く立っていて凄いたくましく見えた。

初めてNANAがトークをした時やっぱり奈未だってわかった。

その後の姿を見せた時……確かに奈未だったが俺の知ってる奈未ではない……。

以前より雰囲気も違って……とても大人っぽくなっていて……ステージからの距離でもそれはわかった。

奈未が俺と目が合った時……奈未は驚いたような顔をして俺に微笑んだ。

その顔が今でも忘れられないくらい綺麗になっていて、凛としていた。


その後NANAは大ブレイクをした。

元から人気はあったが姿を見せるとそれの倍ぐらいになった。

CDはミリオンヒットを軽々超えて史上最高枚数を売り上げた。

バラエティーやCMにも出るようになったし、今はドラマの撮影もやっていると聞いた。

人気になってNANAの歌が響くのは嬉しい……。

けれど……たまに独占欲が高くなって……俺以外の人に微笑んだりするのが嫌になってきた……。

そんなことないのにな……。

でも俺は奈未の隣に本当にいていいのかっていうのが一番の疑問だ……。

奈未は今日本で一番売れているアーティスト。

そんな奈未の隣に平凡なバスケ選手がいていいのだろうか……。

そんなことを考えながら俺はコートに帰って行った。
< 369 / 447 >

この作品をシェア

pagetop