[完]バスケ王子に恋をして。
これは……答えていいのだろうか……。

再びマネージャーを見ると頷いたので私は話すことにした。

「はい、咲羅とは大親友でこの世界に入れたのは咲羅のおかげなんです。春樹は初めてバスケを見た時この人本当に高校生かなって思ったくらい上手かったですよ」
「さすがバスケ界の王子は違いますね!!」
「あはは……そうですね……」

結構春樹って人気なんだよな……たまにテレビで見かけるし……。

「今回の新曲はどのような曲になっていますか?」
「はい、これは元恋人に会えなくなってしまったファンレターが元なんですが、まだ諦めてないというか……未来はまだ長いというピュアな曲です」

本当に詩書くの大変だったけど……。

「そうですかー、NANAさんは来月にまたシングルを出すんですよね?」
「はい、両面Aシングルの私の曲では珍しいアップテンポの曲です」
「今後のNANAさんの活躍に期待しましょう!!」

やっと終わった……。

私はスタジオから出て楽屋に向かっていると

「奈未!!」

マネージャーに声を掛けられた。

「はい」
「着替えたらすぐ俺のところに来てくれ」
「わかりました」
「それと……今日のトークちょっとカットしてもらうことになるかもな……」
「え……?どうしてですか?」

私がそう聞くとマネージャーの顔が一瞬歪んだ。

「まぁ……事務所に行ったらわかるよ」

私はマネージャーに不信感を持ちながら素早く着替えて車に乗った。

「これからいろいろ社長に聞かれるけどちやんと素直に答えろよ」
「わかりました……」

やっぱり今日のマネージャーはおかしい……。

焦ってるっていうか……イライラしてるっていうか……

いつものマネージャーとは全然雰囲気が違う……。

私はなんだか嫌な予感がしてきた。

そして……私の嫌な予感は的中した……。
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