[完]バスケ王子に恋をして。
「奈未ごめん……俺のせいで……」
「ううん……そんなことないよ……」
「やっぱり……俺何かが奈未のそばにいないほうがよかったん「そんなことない!!」

私は春樹の声を遮って怒鳴った。

「春樹は私といて嫌だった……?私が彼女で嫌だった……?私は春樹がよかったよ……春樹じゃなきゃ嫌だよ!!」
「奈未……」
「でも……これは別の話……。春樹しか好きじゃないよ……春樹と離れしたくないよ……!!だけど……私達ってどうすればいいんだろ……」

私は頭を抱えてその場で泣き出してしまった。

「……奈未は今凄い人気な歌手だろ?……俺はそれを崩したくない……」
「……」
「奈未はどう思う?」

私は……

「春樹の人気を下げたくない……」

そうだよ……春樹を私のせいで苦しめたくない……!!

「「だけど!!」」

二人の声がハモった。

「もう二度と……春樹から離れたくないよぉ……」

そう言って春樹に抱きつく。

「……俺も奈未と同じ気持ち……」

春樹は私の背中に腕を回してくる。

「この温もりだって……消えちゃうなんて考えたくないよ……」

もしこの温もりに触れられないなら……

「もし私達がここで仕事を取ったら私は前以上に苦しくなる……」

前は距離を置くだけだったけど……私達が仕事を取ったらこの関係は終わってしまうんだから……。

「二人でちょっと考えようか……記事が出る2日前くらいに結論を出そう……」
「うん……そうだね……」

私達はそれからキスをして別れた。


_______

「社長……」
「ん?どうした?」

春樹がいなくなってから社長が部屋に戻ってきた。

「記事っていつでるんですか?」
「……一週間後の週刊誌に大きく張り出される……」

一週間後……

「わかりました……それまで私達で結論を出しますから……少し待って頂けませんか?」
「あぁ……そうしなさい」

私は社長室を出て家に向かって歩いた。

そして……ある場所へと向かった。

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