[完]バスケ王子に恋をして。
「これが赤ちゃんですよ?」
診察室に入ってカーテンの向こうにいった咲羅を見ているとそんな言葉が聞こえてきた。
「これが……?」
咲羅の弱々しい声が俺の耳に響く。
俺が咲羅のほうへ行こうとすると……
「旦那さんはここで待っていて下さい。今写真が来ますから」
そう看護師さんに止められた。
旦那さんじゃないんだけど……
でも……俺達の子供が咲羅の中にいるってことは俺達も親になるんだよな……
こんな俺が親になんてなれるのか?
そんなふうに思っていると……
「かわいい……」
咲羅がそう呟く声が聞こえた。
……咲羅はどう思ってるんだ……?
自分の子どもを授かって……嬉しいのか?……それとも悲しいのか?
咲羅はどう思ってるんだ……?
そんなことを思っていると
ーシャーッ……
カーテンの中から咲羅が出てきた。
「咲羅……大丈夫か?」
「うん」
なぜかわからないけど咲羅の顔はさっきより元気を取り戻していた。
「これが赤ちゃんですよ?」
医者に見せられたのはエコー写真。
そこには小さいが人間らしさがちゃんとある俺達の子どもがいた。
「これが……?」
「はい」
俺はこれを見た時初めて咲羅の体の中にもう一人いることがわかった。
今まで実感なかったけど……確かに咲羅の中にいるその子は今ちゃんと大きくなっているんだ……。
改めて……いや、今までより命の大きさがわかった気がした。
「産みますよね?」
医者にそう聞かれてハッとした。
この子がこの世に生まれてくるかどうかは俺達にかかってるんだ……。
俺達が産むと決めたら咲羅は仕事を休むことになる……。
もし産まないとしたら……この子は俺達の手で殺してしまう……。
俺は咲羅を見ると……咲羅は俺の顔を伺っているように見つめていた。
その目は俺に決めてくれと言っているように……
でも俺はまだ決めてないし……二人の問題だから……
俺が口を開けようとした瞬間……
「……産みません……」
「え……?」
咲羅がしっかりとそう医者に告げた。
「何言ってんだよ?一人で決めるなよ!!」
「だってそうするしかないでしょ!?私達が望んだ子じゃないのに……産むなんて可哀想だよ!!」
「だからって……そんな簡単に人を殺せる訳じゃないだろ!?」
「……」
その言葉で咲羅は黙り込んで泣いてしまった。
「ごめん……」
俺が咲羅の頭を触ろうとすると……
「触らないで!!」
咲羅に怒鳴られた。
俺……また咲羅を傷つけたか……?
でも今回は傷つけてでも話し合わないといけないんだ……
これは二人の問題だから……
「じゃあ……また後日お聞きしますね。でも……もし中絶するのなら早めに決めて下さいね?」
そう医者に言われて俺達は病室へと向かった。
咲羅は看護師さんに支えられながら俺と目を合わすことなく病室に向かった。
診察室に入ってカーテンの向こうにいった咲羅を見ているとそんな言葉が聞こえてきた。
「これが……?」
咲羅の弱々しい声が俺の耳に響く。
俺が咲羅のほうへ行こうとすると……
「旦那さんはここで待っていて下さい。今写真が来ますから」
そう看護師さんに止められた。
旦那さんじゃないんだけど……
でも……俺達の子供が咲羅の中にいるってことは俺達も親になるんだよな……
こんな俺が親になんてなれるのか?
そんなふうに思っていると……
「かわいい……」
咲羅がそう呟く声が聞こえた。
……咲羅はどう思ってるんだ……?
自分の子どもを授かって……嬉しいのか?……それとも悲しいのか?
咲羅はどう思ってるんだ……?
そんなことを思っていると
ーシャーッ……
カーテンの中から咲羅が出てきた。
「咲羅……大丈夫か?」
「うん」
なぜかわからないけど咲羅の顔はさっきより元気を取り戻していた。
「これが赤ちゃんですよ?」
医者に見せられたのはエコー写真。
そこには小さいが人間らしさがちゃんとある俺達の子どもがいた。
「これが……?」
「はい」
俺はこれを見た時初めて咲羅の体の中にもう一人いることがわかった。
今まで実感なかったけど……確かに咲羅の中にいるその子は今ちゃんと大きくなっているんだ……。
改めて……いや、今までより命の大きさがわかった気がした。
「産みますよね?」
医者にそう聞かれてハッとした。
この子がこの世に生まれてくるかどうかは俺達にかかってるんだ……。
俺達が産むと決めたら咲羅は仕事を休むことになる……。
もし産まないとしたら……この子は俺達の手で殺してしまう……。
俺は咲羅を見ると……咲羅は俺の顔を伺っているように見つめていた。
その目は俺に決めてくれと言っているように……
でも俺はまだ決めてないし……二人の問題だから……
俺が口を開けようとした瞬間……
「……産みません……」
「え……?」
咲羅がしっかりとそう医者に告げた。
「何言ってんだよ?一人で決めるなよ!!」
「だってそうするしかないでしょ!?私達が望んだ子じゃないのに……産むなんて可哀想だよ!!」
「だからって……そんな簡単に人を殺せる訳じゃないだろ!?」
「……」
その言葉で咲羅は黙り込んで泣いてしまった。
「ごめん……」
俺が咲羅の頭を触ろうとすると……
「触らないで!!」
咲羅に怒鳴られた。
俺……また咲羅を傷つけたか……?
でも今回は傷つけてでも話し合わないといけないんだ……
これは二人の問題だから……
「じゃあ……また後日お聞きしますね。でも……もし中絶するのなら早めに決めて下さいね?」
そう医者に言われて俺達は病室へと向かった。
咲羅は看護師さんに支えられながら俺と目を合わすことなく病室に向かった。