[完]バスケ王子に恋をして。
「うーっす……」

俺はいつも通りスタジアムに向かう。

「ふぅ……」

俺はシューズの紐を縛っていると……

「春樹さん!!」

俺を呼ぶ後輩が走ってきた。

「どうした?」
「あのー……春樹さんに会わせてくれって……」
「よっ……」

後輩の横から出てきたのは……高校の時のユニフォーム姿の海斗。

「海斗……」
「何?これから練習?」
「え?あぁ……」
「じゃあさ……1on1しない?」
「……へ?」

いきなりのことでびっくりした。

海斗と1on1……?

「どうした?自信ないか?」

海斗は片方の口角を上げてニヤリと笑っている。

その顔本当にムカつく……

「なわけねーだろ?で、足大丈夫なのか?」
「あー……何回か教えてる時にバスケやってるから大丈夫だと思うけど……」
「ふーん……じゃあ遠慮なくやらせて頂きます」
「上等」
「ま、どっちが勝つかわかってるけどな?」

そう言い残して俺はサブコートに向かった。

「今のお前じゃどうだろうな……」

そう海斗が呟いているとも知らずに……



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