[完]バスケ王子に恋をして。
「ん?どうしたの?」

奈未が覗き込んでくる。

「いや。別に。ってか誰か待ってんの?」
「海斗だよ?あ!!海斗いた?」

ズキッ……

なんだ…羽切待ってんのか…。

やっぱり俺は羽切に勝てねーんだな…。

「ああ……もうちょっとしたら来ると思う」

俺は目一杯笑って答えた。

今、上手く笑えてんのかな…。

「本当!?じゃあ待ってるかー。さっきすぐ帰るってメール来たのに…」

ムスッとしながらケータイを見つめる奈未。

メール…!?その手があった!!

「ちょっとケータイ貸して」
「えっ!?ちょっ!?」

俺は奈未のケータイを奪った。

「ちょ!!中見ないでよ!!」

焦りながらも怒る奈未。

「中は見ねーよ。はい、完了!!」

俺は奈未にケータイを返した。

「何したの?」

不思議そうにケータイをいじる奈未。

「俺のメアドと番号。帰ったらメールして?」
「えっ!?春樹のメアド貰っていいの!?」

驚いた顔で聞いてくる。

「ああ。でも俺登録してねーから絶対しろよ」
「うん!!ありがとう」
「じゃあな」

奈未に軽く手を振った。

「バイバイ」

奈未も振り返してくれた。
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