[完]バスケ王子に恋をして。
「特別に教えてやろうか?」
「何を?」
「うちの好きな奴」
「えっ…。いいのか?」

俺は驚いて咲羅に思わず尋ねる。

「別にいいけど」

あっさりと咲羅は答えた。

「……誰?」

俺が聞くと、咲羅は黙って下を向いて立ち止まる。

それに合わせて俺も歩くのをやめて咲羅を見る。

ヤベっ……俺、何かヤバいこと聞いたか?

「咲羅?」
「……だよ」
「え?…ごめん。聞こえなかった」

すると咲羅は顔を上げると俺を見て

「お前だよ」

と小声で言った。
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