[完]バスケ王子に恋をして。
「それ……好きじゃないかもよ?」
咲羅が俺と同じ目線にしゃがんで聞く。
「それは違う。絶対に違う」
それは違う。こんなに人を欲しくなるのは初めてだ。
「友達で仲がいいからじゃなくて?」
「ちげーよ」
「辛い?」
「ああ……めちゃくちゃ……。俺が羽切だったらって……俺が羽切より早く奈未のことを知ってたらって何回思ったことか」
俺が羽切だったら……奈未の知らない一面が見れるのにな……
「じゃあ、ウチがそれを忘れさせてやるよ」
は……?
「ふ……どうやってだよ?」
俺は顔を上げて咲羅に聞く。
「ウチと付き合えば、忘れられるぜ?」
俺にピースする咲羅。