幕末の神様〜桜まといし龍の姫〜
屯所では、ある騒動が起きていた。
譲と殿内の姿が見えないということだった。
そもそも騒動のきっかけは、島原から帰った芹沢が、近藤と土方に、譲と殿内が刀を交えていたという証言をしたためだった。
確証もなにもない証言であったが、話の流れや雰囲気を考慮するに、剣術の高めあいのためという良い方向の話でもない。もし本当にそうならば、二人は仲間討ちをしていることになる。
それを聞いた土方と近藤は、すぐさまもと試衛館の仲間全員に、市中をくまなく探すように指示をだした。
話をきいた沖田、斎藤、永倉、藤堂、原田、井上、山南も驚きつつもいっせいに外に出、譲の行方を捜索しはじめた。