幕末の神様〜桜まといし龍の姫〜
第一幕 いざ、京の都へ














自らの命を謳う蝉の鳴き声。















錦絵のごとく荘厳で美しい紅葉の時雨。
















何にも染まらない、触れれば淡く溶けていく真っ白な雪。





そして―――。









力強く、でもどこか儚く散りゆく桜。








誰よりも一瞬、強く輝いて、そして消えていくその生き様は、幾年もの間、人々の心を惹き付けてやまない。







もう何度、あなたとそんな風景を見ただろうか。






汗水を流して稽古に励む日々。





時には土方さんをいじったり。






色んな境遇を持つ【仲間】という存在ができて。








確かに、幸せをかみしめていた。











時は、十二年流れる。










――近藤さんと、そしてあなたと出逢って十二年という歳月が流れた――。






















< 43 / 261 >

この作品をシェア

pagetop