幕末の神様〜桜まといし龍の姫〜
悩み
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今日は稽古もしたくないくらい初夏の割には暑い日だった。
さっきまで地平線近くにあったはずの太陽は、とうに天辺まで昇っている。
総司は、自室の畳の上で何をするでもなく、寝転がりながら、ぼんやりと天井を眺めていた。
今日は、珍しく何もやる気が起こらない。
なぜだろうと考えていると、ぱたぱたと廊下を走る足音が聞こえた。
総司は足音だけで、それが誰なのか判断する。
(譲か……)
そう言えば、今日は吉原に出稼ぎに行く日だったけ。
だからかな。
譲がいなくなるから、今日はいまいち調子が上がらないのかな。
元気が出ないというか。やけに身体がだるいというか。
なんだろうね。この感覚。
総司はふっと鼻で自分自身をあざ笑う。