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確かに俺は、メイのこの笑顔を壊したくない。

あいつの言うように、メイと離れる事が怖いだけなのかもしれない。



……けど……本当に、このままで良いのか?




緊張した空気を感じたのか、メイがゆっくりと口を開く。


「……お腹、すいたでしょ。今何か作るわ。待っ―――」


部屋を出ようとするメイのエプロンをぎゅっと掴んだ。



「……クロウ?」

「エルがいないうちに聞いておきたい」




俺は、現実に目を向けなければいけない。








「三年前……お前は、どうして俺を【クロウ】と呼んだんだ?」
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