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そうか。俺。捨てられた、のか。



寒い空気で頭が冷やされているせいか、朦朧とする視界や意識とは裏腹に判断は割と冷静だった。



……俺、死ぬ。かな?



体は妙に痛くて何故か動かない。
どれだけ雨に打たれてるのかもわからない。
何も考えていないと意識は消えゆく一方。



あぁ。死ぬ前って、走馬燈、だっけ。見えるのかな、俺でも。
天使、は、来ないだろうな、死神、とか?



限界を感じて目を閉じかけた時。


現れたのは走馬燈でも死神でもなく、




天使、だと思った。
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