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運ばれてきた品を見ると、大抵の客は驚きを隠せない。


『カフェモカ、角砂糖6つ』

これがこの部屋に来るための合い言葉だが、実際に6つも使う奴はいないから通じるのだ。

しかし、目の前の男は煙草を吸いながらぽんぽんとその無茶な個数をカップに投入していく。


「甘党なんです」と言うと、大抵の人はじゃあ何故煙草は吸えるのだ、といった苦笑いを返してくるのだが。
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