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小さめな引き出しにも関わらず、そこはまだかなりのスペースが残されていた。

恐らく必要最低限なレベルであろう化粧品、化粧水などがきちんと区分けて並べられている。
こんな時に考える事でもないが、さぞかし整頓上手な主婦になれることだろう。


しかし、これだけ綺麗に並べられていれば他に何も無い事は一目瞭然。

収穫のなかった一番上の引き出しをゆっくりと閉め、二段目の引き出しを引く。






(……ん?)



明らかにさっきよりも軽いその棚は、案の上殆ど空に近かった。







そこに入っていたのは、一枚の写真だけだった。
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