永遠 〜海に消えた恋〜
そこにいたのは、見覚えのない男…。

「早く!逃げるぞ。」

私の手をとってその男は走りだした。

暗い路地を抜けて、明るい電灯がある道…。

まっすぐ走り小さな公園に着いた。

「なんで、あんなところにいたんだよ!危ないだろ!」

私の顔を見て怒鳴る。

「ほら、服着ろ。」

シャツ一枚の私にジャンパーを貸してくれた。

「ありがと…。」

公園のベンチに座って会話がないまま時間が経つ。

「泣けよ。こらえてても仕方ないだろ。」

その一声でこらえていた涙が溢れ出した。

「ウワァァァン」

怖かった。

すごく怖かった。

「怖かったよな。よく頑張ったよ。」

その人は私の背中をさすりながら、その一言を最後にしてただただ静かにさすってくれてた。
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