君に、青を――

 それからずーっと。サツキは泣き通しだった。
 オレと口もきかねぇし、泣くか泣き疲れて寝てるかのどっちか。

 ま、別にいいけどな。
 コイツがいなくなるわけじゃなし。

 ここはオレの空間の一部で人間用に弄ってある。
 白くした壁には絵を飾り、テーブルの上に花。あとはベッドにソファ。
 これだけあれば充分だろ。

 栄養素はオレが与えてやってるから食事とか必要ねぇし。

 オレはソファに座って、泣いてるサツキをじーっと見ていた。

 ……ん? 泣き疲れて寝たか。

「ちょっと用事があるからな。行ってくる」
 眠ったサツキにそう言うと、オレは部屋から出て行った。


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