小田急線ラヴストーリー

出会い

Uぅた

この文章を書いている間も一秒間に79個の星が爆発し生涯を終え、その塵から新しい星が生まれていく。
随分とスケールは小さくなるが、この地球でも何人の恋が終わり、それとと同時に何人が恋に落ちるのだろうか。


新宿から近いのに小田急の急行すら停まらない僻地…狛江。
Uぅたはこの地域で塾講師をしている。自分の為とは言えども理想とかけ離れた現実に辟易しつつ、いっそのこと絨毯爆撃してこの一帯を消し去ってくれないかと淡い思いを抱く。現実は映画の様に上手くいくものではないと解りつつも不平を腹に押し込め、今日も授業で疲れた眼をしばたきホームを降り塾へと足を運ぶ日々が続いた。

そして今日もつつがなく授業をこなす事に神経を尖らせ、怪物に睨まれ逃げ場が無くなった人のように時が経つのを祈る、塾内でも手のかかるクラスをもたされているらしく授業後での疲労度が溜まっているのを感じ取る事が出来た…。
疲れた身体を癒すために、鳴らなくなった携帯を眺めながら講師室でため息を漏らす。

「ぬぁ～斎藤さんってぇ土曜日来れますか? 」

柔らかく頼り無い声を発したのは社員の藤原さんだ、自分より歳上とは思えぬ屈託のない幼い笑顔から続けて声が発せられる