好きなんて言えないよ。
「うん、いっこか」



私もあえてそれに触れず紺野くんに笑顔で答えた。



人に知られたくない過去だって一つや二つ人間だからあるはずだもん。



これ以上の散策はしちゃダメだよね。



私達はすぐそばのアイス屋さんまで他愛もない話をした。


「逢瀬何にする〜?」



紺野くんはいつもと同じ感じで笑顔だった。



「抹茶とチョコで迷ってる」



「どっちの方が食べたいの?」



んー、どっちも食べたいけどチョコ…うーん抹茶…。うーん。



私が本気で迷ってると


「よし、俺と半分こしよう」


紺野くんが笑顔で答える。


「すみませーん。チョコと抹茶一つづつ下さ〜い」



私が答える前に紺野くんは店員さんに話しかけていた。




< 176 / 256 >

この作品をシェア

pagetop